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園からのお便り

4園合同プロジェクト:ベリーベアーお便りの会🐻No.2(大田区園長対談編)

皆さんこんにちは!大田区認証4園合同プロジェクトお便り会メンバーの大木(下丸子)・奥野木(ライラック通り)・加藤(久が原)・宮本(蒲田)です。
今回のお便りは前回とは異なり、4園の園長がZoomを使用し、あるテーマに沿って対談していきます!

  

今回、対談内容として取り上げたテーマは「食に関しての疑問やお困りごとについて」です!事前に在園児の保護者の皆様にご協力頂き、悩み事や疑問点のアンケートを取らせて頂きました。アンケートの中からテーマを3つほど選び対談させて頂いております。
それでは早速話し合っていきましょう!

【大木】
食事についてのご相談がありました。
「食べむらが多く、野菜を食べてくれません。食べたとしても口から吐き出してしまい、その後食べてくれようとしません。どうしたらいいでしょうか?」というご相談なのですが、皆様の園に同じように苦手な食材を食べようとしなかったり、吐き出してしまうお子さんはいらっしゃいますか?

【奥野木・加藤・宮本】
同じ様にお悩みの方はいらっしゃいました!

【大木】
こう言った場合、皆さんならどうしていますか?

【奥野木】
ベリーベアーでは苦手な物などを無理強いをさせません。
乳児さんと呼ばれる時期は、食べるものを目で見て匂いを嗅いで五感を使っていろんな食材に触れるということから始まります。無理強いをすることで食べる事が楽しくなくなってしまいます。手づかみ食べで自ら口に運ぶ、今しか出来ない一番大事な時期なのでゆっくり進めていってもいいのではないでしょうか。園では「一口は食べてみようか?」と一声かけてみたり、お友だちがおいしそうに食べている姿を見ることによって「自分も食べてみようかな?」という気持ちになります。命を頂くということを大切にしながら野菜の栽培・収穫をし種をとり、また植える経年を追い育ちをみています。

【大木】
なるほど!五感を使うことはとっても大切な事ですよね!お母さんがご飯を作っている時もおいしそうな匂いがしてきたり、炒めている音が聞こえたりと自然と五感を使っていたりしますもんね!

【奥野木】
それと、保護者の皆様には食べ進めるということに関しては、長い目で見て頂けるように声掛けもしています。今はまだ、色々な食材を知る。その積み重ねが大人になってから身体に良い物を選んで食べる事に繋がっています。

【宮本】
蒲田園でも同じようなお悩みをお持ちの保護者の方がいらっしゃいます。園でもお家でも同じように食べないっていうお子さんもいるようですが、園ではお子様の意見を尊重しながら食べ進めていくよう気を付けています。例えば、そのお子様が「これなら食べれる」「これだけ食べる」など、お子様が答えてくれた食材を中心に会話を楽しみながら、食べられるよう促しています。「食べてね」というよりかは、「今日は何が入ってるのかな?」「○○が入っていておいしそうだね」等、食べてみようと思えるような声掛けをしています。
また、そのお子様の気分に合わせて食べ進められるようにもしています。
ライラックさんと同じように野菜の栽培もしています。

【大木】
そうですよね。子どもたちの思いや考えに寄り添うことはとても大切な事ですし、肯定的に認めて貰えてるってだけで心強く感じますもんね。加藤先生はどうですか?

【加藤】
久が原園も同様に「無理強いはしない」ということを食事でも勧めています。遊び食べになってしまった時には、一度終わりにして気持ちの切り替えが出来るようにしています。また、楽しみながら食べ進められるよう促しています。園には食育カードや室内に旬の野菜や果物の絵を貼って、食事中「同じ物が入っているね。」等と会話をしながら食べています。食育かるたを使ったり、食事前に食事カードを使ってお話したり、遊びをきっかけに食事への興味が広がるようにしています。また、乳児さんに対しては、保育士が食べる真似や「おいしい」等の声掛けを行い、自ら食べようと思えるよう促しています。

【大木】
なるほど!久が原園さんは楽しみながら食べる意欲が養うよう促しているんですね!
下丸子園も同様に、無理強いはせず食べられる物を食べられるだけ食べるという形で進めています。また、食育や遊びを通しての促しも多いですね。まずは、食べ物のことを知って貰う所から始めていて、「やさいのおなか」という様々な野菜の断面図が書いてある絵本を使ってクイズをしたり、「今日の給食何入ってるでしょうクイズ」をしたりと、色々な遊びを活かして食育しています。また、調理室と保育室が近い事から、作っている人の姿を見たり、お皿を片付ける際に自ら持っていき、調理さんに「綺麗に食べたね。嬉しい。」等と声をかけてもらう事で、食べる意欲が湧くようにしています。
様々な方法がある中で、その子に合った声掛けや促しが必須なのかもしれませんね!また、「食べさせなきゃ。」という焦りや不安よりも個々の思いを尊重したり、自ら出来る工夫等模索していく事が大事な事なのかもしれませんね。

【奥野木】
そうですね。大人も見たことのない物を食べるのは勇気がいりますよね。なので、小さなうちから旬の食材を使用し、食材本来の味や食感を活かし調理をしていますよね。それを目にしたり匂いを嗅いだりしているという事で、一口食べてみようと思う気持ちが生まれた時に食べることが出来るのだと思います。何がきっかけとなり食べられるようになるかは、その子その子で異なると思いますし、やはり長い目で成長を見守っていく事が大切ですね。

【宮本】
そうですね。子どもたちの成長を見守る事が大切ですよね!また、雰囲気作りも大切だと思います。以前までは、一切野菜を食べようとしなかった子が幼児に進級した年に、お友だちがおいしそうに食べているのを見て、自分から一口食べてみたりする姿を見た時には驚きました。また、それがきっかけで食材のおいしさが分かったようで完食していた時には更に驚きましたよ。雰囲気作りって本当に大事なんだなって思いました。

【加藤】
雰囲気って本当に大事ですよね!今は共働きのご家庭が多く、遅くまでお仕事を頑張ってくださっている方もいますし、家族揃ってお食事するってことが減ってきていますもんね。

【奥野木】
今は孤食が増えて来ていると言われていますし、家庭団欒と言わる食事も減ってきていますよね。家族が揃って食べる事で「お父さん、お母さんが食べてる!自分も食べてみよう!」という相互作用も出てくると思います。もちろん、毎日とはいかないと思うので、休日などに家族で食卓を囲みながら、食事への興味や関心を抱けるよう過ごして頂きたいですね。

【加藤】
遊び食べについても質問頂いていて、「遊び食べが多く、最終的には親が食べさせてしまっています。また、1時間以上かけて食べている時があり、集中して食べて貰いたいのですがどうしたらいいでしょうか?」という事でした。

【宮本】
小さい時から食べさせてあげてるんですよね?

【加藤】
そうだと思います。

【奥野木】
食事での関わりにおいては、私たち保育士も気を付けている事で、「自ら食べる力」を育てていくよう日々促しています。例えば離乳期の際、スプーンを口の中に入れた時にはスプーンを引きぬくのではなく、子どもが自ら口に含み取り込めるようにスプーンは動かさず待ちます。「手づかみ食べで自ら意欲的に食べる」こういった促しをすることで、食べる事への集中力が身に付いていきます。キーポイントとなるのは「自分で食べ進めようとする気持ちを育む」という事ですね。

【大木】
そうですね!時間はかかったとしても身体や胃の大きさは一人ひとり違うので、食べる量も違いますしそれぞれのペースがあって食べ進めているんですものね。乳児期に関しては、今は自分で食べる練習中ということになりますかね?

【奥野木】
そうですね!何をするにも意欲的にやっている事が大事で認めてあげる事が良いかもしれませんね。また、子どもが見通しを持てるように、こちら側から声かけしてあげるのもいいと思います。

【宮本】
園でも、食事の際にお約束というか見通しを持てるように声掛けをすることがあります。例えば、「お腹いっぱいになったら教えてね。」やある程度食べ終え遊びに集中し始めた時には、「今日はおしまいにして、また明日食べようね」等、切り替えやすくわかりやすい声掛けをしています。

【加藤】
見通しを持てるような声掛けについては、こちらでも行っています!「ご飯を食べる時には椅子に座って食べようね。」や「いただきますと、ごちそうさまのご挨拶しようね」等、様々な約束事をこまめに声掛けする事で、子どもたちも食事の時のルールが身に付きます。何度も繰り返し伝える事は、とても大切ですね。

【奥野木】
そうですね!また、食事中は食べること以外にも練習している事があります。自分で食べているという実感が湧くよう、園では食具だけではなく手づかみ食べも行いながら食べています。乳児期と言われる0~2歳児は指先の発達が著しい年齢です。乳児期にスプーン・フォークを上手に使えるようになるには、まず手づかみ食べを中心に行い、指先から手の平まで使って食べる事で、手の使い方を学んだり自分の力で食べ進める事を身に付けていきます。その後、少しずつ食具を使いこなせるようになってきます。

【大木】
手づかみ食べ→スプーンの順に扱っていくのがいいですね。もちろん、スプーンと手づかみ食べ両方とも使用しても、そのお子さん自身が「食べたい」という気持ちを表しているので、乳児期の内はスプーンと手づかみ食べを両方とも行っていてもいいのかもしれないですね!フォークに関しては、皆さんの園では使用していますか?

【加藤】
園では、幼児期になってからが多いですね。やはり、食材を刺して食べるというよりかは、用途に合わせて使用してほしいのと、食材自体を前歯で嚙みちぎって自分の適量を知って食べ進めて欲しいと思っているので。

【宮本】
先程、奥野木先生がおっしゃっていた通り、指先や手の平を使用した事で手首の使い方も分かり、フォークで麺を巻き取る事やすくい上げる事など様々な動きが出来るようになってから使うのもいいのかもしれませんね!

【まとめ】
「無理強いはせず、五感を使用し食べたいという気持ちを大切にしながら食べすすむ」また、「大人の声掛けや働きかけによっても食への興味や食べたいという意欲を育むことが出来る」「食事中のルールを決め、繰り返し伝える事で、気持ちの切り替えや見通しを持って過ごせるようになる。」「食べる量や意欲は長い目で見ていくこと」等、様々なご意見がありました。今回の対談内容は各園ホームページに掲載させて頂いております。ぜひ、他の園のホームページにもアクセスして頂き、保育の様子等をご覧いただけると幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。

<プロジェクト参加園URL>

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